2009年11月27日金曜日

Belgian Gastronomy

大学の企画で”About Belgium”という8回シリーズの講演会が開かれています。音楽、文化、異文化間コミュニケーション、そして昨夜はBelgian Gastronomyがテーマでした。特別に試食もできるというので予約をして参加をしてきました。興味深かった話をいくつかご紹介します。

ベルギーの食というと、ビール、チョコレート、ワッフル、ムール貝を思い浮かべると思います。実はフレンチフライ(こちらではフリッツと言う)はベルギーが発祥なんです。

♪ フレンチフライの歴史 ♪

エピソード1)

昔、川沿いのある村では小さな(5㎝くらい)の魚を揚げて食べる習慣がありました。寒くなると川が凍り魚が捕れなくなるので、試しにポテトを揚げてみたところおしかったことを発見。それ以来、ベルギーではフレンチフライが食べられるようになったとか。

エピソード2)

第一次世界大戦のころのこと。アメリカ兵がベルギーで食べたフライドポテトがおいしかったので国へ帰って「フレンチフライはおいしいんだ」と言い広めたそうです。当時ベルギー全土でフランス語が話されていたのでフライドポテトのことを米兵はフレンチフライと言ったとか。

時期的なことを考えると、エピソード1と2は若干食い違う部分もあるのですが、とにかく「フレンチフライはベルギーが発祥である」ことを昨夜の講師が誇りに思っているのは間違いなさそうでした。

♪ 魚より肉 ♪

ベルギーは海に面していますが、漁獲量が制限されているため魚介類の値段は高いです。もちろんマーケットで新鮮な魚を手に入れることはできますが、ベルギー人のメインディッシュとしては断然肉が多いです。

1位 豚(フィレ、ソーセージ、ぶたひき肉など)

2位 牛

3位 チキン、七面鳥、ガチョウなど

まれにヤギ、うさぎ、馬などを食べることがあります。秋、フランスでは狩りが盛んですがベルギーも同様で、鹿、イノシシ、きじなどが季節限定でレストランのメニューに登場します。

調理法はフランスの影響を受けていて、肉を果物と一緒に煮込むことが多いようです。


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その中の一つ、ミートボールをチェリーと一緒に煮込んだもの。

風味がありおいしかったです。お肉もジューシーになるそうです。

ビール大国ならではの料理として、牛のビール煮も有名です。




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こちらはVol-au-vent (ボロバン)。small dishです。

中にチキンが入っていて、クリームソースがかかっています。マッシュルーム、エビ、フルーツなどソースに合わせるものは色々あります。

一口でぱくっと食べられるつまみといった感じですね。



♪ ベルギーを代表するもの ♪

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ブリュッセルスプラウト(芽キャベツ)

寒さに強く、収穫量は多いです。ややほろ苦いですが、スープやシチューに合います。小さくて、形もかわいらしいので、付け合わせにもいいですよ。




写真はありませんが、シコン(チコリ、エンダイブ、ウィットローフとも言う)はベルギーチコリとも呼ばれるほど、ベルギーを代表する野菜です。(生産高トップは隣国フランスですが・・)元々、コーヒーが高価なものだったころ、シコンの根っこを乾燥して炒ったものをコーヒー代わりとして飲んでいたそうです。偶然、土の上に白い芽が出ていることに気がつき、食べてみたところおいしかったとか。今では水耕栽培によって一年中生産できるようになっています。

でもおいしくなるのは冬。ベルギーの家庭料理といえば、シコンのグラタンです。これから我が家の食卓にも登場することでしょう。

♪ 近年の食文化 ♪

一昔前まではポテトがパンと並び主食でしたが、米、パスタも普段の食事に取り入れられています。若者はイタリア料理、アジア料理、アフリカ料理なども好んで食べます。食の幅が広がってきているのは、どこの国も同じですね。また健康食ブームも起きているようです。


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え?健康食ブームだって?

デザートにチョコムースが出されましたが、な、なんとバケツに入っていました。

それがとても甘いっ!!



話を聞いて「ベルギーはおいしい料理がたくさんある」という印象を持ちませんでした。有名なものはありますが、ベルギーならではのものがさほどないように思います。でもフランスやドイツなど隣国から入ってきた料理法、食材をうまく生活に取り入れている点がベルギーらしさなのかもしれません。

今回は、ベルギーの食事情のほんの入り口をのぞいたぐらいでしょう。これから食にまつわる新しい発見を楽しみに、たくさん食べて元気に冬を越したいと思っています。

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